1.エピゾーム型ベクターpEBMulti-Neoに、mycタグがついたCNGA3及びFLAGタグがついたCNGB3のcDNAをクローニングし、HEK293細胞にトランスフェクションした。G418で選択した細胞についてウェスタンを行い、いずれもcDNAの産物を発現していることを確認した。CNGA3発現細胞に関してはパッチクランプ法において、cGMP感受性の膜電流が記録できた。CNGB3発現細胞に関しては、GFPタグのついたCNGA3のcDNAをトランスフェクションし、cGMPに対する感受性がやや低下した膜電流を記録できた。 2.CNGA3では新たに10種のミスセンス変異が見いだされ、知られていた変異と合わせると68種となった。これらの10種の変異をcDNAに導入し、GFPベクターにクローニング、HEK293細胞にトランスフェクションし、パッチクランプ法によりcGMP依存性の膜電流の有無を調べた。その結果、N276S、G329C、Y357C、L363P、G367V、E376K、D514V、L527M、L527R、S570IのいずれにおいてもcGMP依存性の膜電流は記録されなかった。低温培養(28℃での培養)や、培地へのタウロウルソデオキシコール酸ナトリウム(1mM)や4-フェニル酪酸(1mM)の添加を行っても膜電流を記録することはできなかった。 3.SulfoLink MIS-LC-biotinによる細胞膜発現タンパク質の標識は以前に行ったがうまく標識できていなかった。すなわち、抗GFP抗体によるプルダウン→SDS-PAGE→ブロッティング→アルカリホスファターゼ結合ストレプトアビジンによる発色、を行ったがタンパク質の泳動レーン全体が染まっていた。今回、標識温度と細胞の洗いを工夫しCNGA3-GFP融合タンパク質のバンドを検出できるようになった。
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