研究課題/領域番号 |
21592231
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
瓶井 資弘 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40281125)
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研究分担者 |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
辻川 元一 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70419472)
坂口 裕和 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80379172)
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 酸化ストレス / 脂質酸化 / 自然免疫 / 光照射 |
研究概要 |
これまでの研究で開発してきた低照度長期間光照射による加齢黄斑変性動物モデルを更に改良するため、低照度青色光の照射条件を変化させて、マウス網膜における変化を比較検討した。その結果、長期の連続照射では高度の網膜障害をきたすが、周期的な低照度長期光照射では網膜障害は余り見られず、網膜内および網膜下腔へのマイクログリアの集積を誘発し、慢性炎症を惹起することが判明した。そこで、2日毎の低照度光照射を3ヶ月間継続したマウスを用い、ブルッフ膜と脈絡膜毛細血管板の変化を検討している。これまでの結果では、ブルッフ膜の肥厚と血管内に貪食細胞の変化を認めることが判明した。現在、細胞種の同定と誘導因子の検出を進めている。 また、これまでの研究でMCP-1を加齢黄斑変性の発症誘因候補の1つとして絞ることができたので、薬物によるCNV発症抑制効果の検討を行った。MCP-1受容体阻害薬を加齢黄斑変性動物モデルに投与し、脈絡膜新生血管(CNV)の抑制効果があるかを検討したところ、対照群に比べ44%抑制することに成功した。抑制の分子メカニズムを現在解明中である。 加齢黄斑変性の発症における自然免疫が関与の検討に関し、免疫系分子のノックアウトマウスを用いた実験は、生育不良のため断念した。しかし、グラム陰性菌の菌体外毒素であるリポポリサッカライド(LPS)の腹腔内投与でモデル動物でのCNVのサイズが有意に抑制されることから、不顕性感染などを介した自然免疫不活化が発症に抑制的に関与している可能性を見出した。本年度はその分子メカニズムとして、IL-10が関与していることを突き止めた。
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