研究課題/領域番号 |
21592236
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
安川 力 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00324632)
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研究分担者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
野崎 実穂 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00295601)
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キーワード | 家兔 / 加齢黄斑変性 / 眼底異常自発蛍光 / 網膜色素上皮 / リポフスチン |
研究概要 |
加齢黄斑変性は加齢現象が眼内に蓄積した結果、発症する疾患であるため、病態解明や発病予防法の開発のためには眼内で生直後から始まる加齢現象を理解することが不可欠である。眼底における最初の加齢変化は網膜色素上皮(RPE : retinal pigment epithelium)細胞内へのリポフスチンと呼ばれる自発蛍光を発する難溶性顆粒の蓄積で、生後まもなく発生する。近年、画像診断技術の進歩に伴い、蓄積したリポフスチンに由来する微弱な自発蛍光の検出が可能となった。通常の加齢変化としてのリポフシチン蓄積は眼底の均一な背景蛍光として観察できる。一方、加齢黄斑変性発症前には特殊なパターンを示す異常眼底自発蛍光を認める場合があり、加齢黄斑変性の発症や病変拡大を予見できる重要所見である。我々は、これまでの研究で、リポフスチン摸擬顆粒として最終糖化産物からなる微粒子を作製し、家兎の網膜下に移植することによりRPE細胞内へのリポフスチン蓄積を模倣したところ、加齢黄斑変性の前駆病変である硬性ドルーゼンの発生や脈絡膜新生血管を認め、加齢黄斑変性モデルとしての有用性が示された。また、このモデルにおいて、ヒトと同様に異常眼底自発蛍光を認め、地図状萎縮への進展との関連が示唆された。また、RPE細胞の3次元球体培養が培養細胞の脱分化の問題を解決し、よく分化した一層の上皮を形成、さらに表面にブルッフ膜の形成や生理的に眼内で行われているリポ蛋白の排泄をin vitroで観察できることがわかった。リポフスチン模擬顆粒を予め貪食させたRPE細胞で3次元球体培養を行った結果、異常眼底自発蛍光と同様の分布を示す自発蛍光を認め、リポフスチン蓄積と異常眼底自発蛍光の関与が示唆された。今後、家兎加齢黄斑変性モデルやRPE細胞の三次元培養を用いて、加齢黄斑変性の病態解明を進めて行く予定である。
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