研究課題/領域番号 |
21592237
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
野崎 実穂 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (00295601)
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研究分担者 |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
安川 力 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00324632)
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キーワード | 脈絡膜新生血管 / 加齢黄斑変性 / オステオポンチン / マクロファージ / VEGF / 細胞外マトリックス |
研究概要 |
【目的】オステオポンチン(OPN)は細胞外マトリックスの一種で、最近、炎症、動脈硬化、癌転移などに関与していることがわかり、治療標的として注目されている。一方、加齢黄斑変性(AMD)においても、その病態に炎症の関与が示唆されている。平成21年度、我々は、マウスを用いて、実験的レーザー脈絡膜新生血管(CNV)におけるOPNの関与について検討し、OPN抑制によりCNVが抑制されることを明らかにした。平成22年度は、さらにはOPNを標的としたCNV抑制効果のメカニズムおよびOPNノックアウトマウスを用いた検討を行った。 【方法】雄の生後約8週のC57BL/6JマウスあるいはOPNノックアウトマウスに対してレーザー網膜光凝固を行い、経時的に眼球を摘出、マクロファージの発現を免疫染色を用いて検討し、浸潤マクロファージ数をカウントした。また実験的レーザーCNVを作成し、7日後にレーザー共焦点レーザー顕微鏡でCNV面積を測定した。 【結果】レーザー網膜光凝固後、3日目に浸潤マクロファージ数は有意に増加した。OPNノックアウトマウスあるいは抗OPN中和抗体硝子体内投与群では、wild-typeあるいはPBS硝子体内投与群と比較して、浸潤マクロファージ数は有意に減少していた(p<0.05)。CNV面積はwild-typeと比較して、OPNノックアウトマウスで有意に抑制されていた(p<0.01)。 【結論】OPNは、マクロファージを介して、マウスにおける実験的レーザーCNVの発症に関与しており、OPN抑制により、マクロファージが抑制され、CNVが抑制されることが明らかとなった。今後、OPNを標的としたAMD治療の可能性が考えられた。
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