研究概要 |
TRPV1, TRPV4, TRPA1ノックアウトマウス及びワイルドタイプマウスの片眼に1N NaOHと点眼しを角膜アルカリ外傷を作製し、角膜混濁の状態や上皮欠損の治癒速度などを検討した。その結果TRPV1, TRPV4, TRPA1ノックアウトマウスは、ワイルドタイプマウスに比べ、角膜混濁が軽微であることが確認された。免疫染色法やreal time RT-PCR法を用いた検討では、それらノックアウトマウスでは炎症性サイトカインの発現や好中球、マクロファージの浸潤、線維化が抑制されていた。 ワイルドタイプマウスに同様に角膜アルカリ外傷を作製した後、TRPV1またはTRPA1のアンタゴニストを投与し、角膜混濁の状態や上皮欠損の治癒速度などを検討した。その結果、アンタゴニストを投与することで、角膜混濁を抑制することができた。免疫染色法やreal time RT-PCR法を用いた検討では、ノックアウトマウスを用いた検討と同様にアンタゴニスとを投与することで炎症性サイトカインの発現や好中球、マクロファージの浸潤、線維化が抑制されていた。 TRPV1ノックアウトマウスおよびワイルドタイプマウスの角膜直径2mmの上皮欠損を作成する。創傷治癒速度を実体顕微鏡下で観察し写真撮影する。撮影した写真から欠損部の残存面積を計測し、比較検討した。その結果、TRPV1ノックアウトマウスはワイルドタイプマウスに比べ上皮欠損の治癒速度が遅延していた。
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