研究概要 |
TRPV1TRPA1, TRPV4 KOはWTに比べてアルカリ外傷後の角膜混濁や炎症反応が軽微であったが、角膜由来の細胞と、骨髄由来の細胞のどちらがTRPV1, A1 V4 KOの創傷治癒炎症への関与に重要であるかを検討するため、骨髄移植の実験を行った。TRPV1, TRPV4, TRPA1 KO、WTそれぞれに放射線照射後骨髄移植を行い、創傷治癒、炎症への関与を検討し。KO、WTそれぞれの脛骨と大腿骨から骨髄を採取した。KO、WTそれぞれに骨髄移植の1日前に12yの放射線を照射する。WTの骨髄をTRPV1 KOに、TRPV1, TRPV4, TRPA1 KOの骨髄をTRPV 1 KOおよびWTに移植した。骨髄移植の3週間後に1N NaOHを点眼し角膜アルカリ外傷を作製した。創作製10~20日後の角膜を実体顕微鏡下で角膜結膜の状態を観察し写真撮影した。その角膜のパラフィン切片を作製し、それぞれの群でのマクロファージのマーカーであるF4/80、好中球のマーカーであるMPO,線維化のマーカーとしてaSMAを免疫染色で検討した。 TRPV1, TRPA1, TRPV4 KOにWTの骨髄を移植した群は、WTにそれぞれのコの骨髄を移植した群に比べ、アルカリ外傷後の角膜混濁や炎症反応が軽微であった。 以上のことから、TRPV1, TRPA1, TRPV4 KOの角膜がWTの角膜に比べて、アルカリ外傷後混濁や炎症が軽微であるという現象は、骨髄細胞でなく、角膜由来の細胞が影響を与えていると考えられた。
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