研究課題
網膜へ到達する可視光のうちの低波長の青色光により網膜が障害され視機能が低下する可能性がある。マウス眼内レンズ(intraocular lens;IOL)挿入モデルを用いて、挿入するIOLの分光透過率の違いによる網膜光障害への影響を検討した。Balb/cマウス(オス、6週齢)の水晶体を90゜角膜切開創から嚢外摘出し、直径2mmのトレパンにて臨床用のIOL光学部中央を打ち抜いて作成したマウス用IOLを水晶体嚢内へ挿入した。挿入するIOLは紫外線のみ吸収するClear Lensと紫外線に加え青色光付近の波長400-500nmの透過率を抑制したYellow Lensを用いた。IOLを挿入したマウスは12時間の暗順応を行った後、5000lux,24時間、白色光にて光照射を行い、その後5lux,12時間on/offの光環境で飼育した。光照射開始から48時間後と6日後に眼球摘出を行い、それぞれTUNEL(TdT-mediated dUTP Nick-End Labeling)染色とONL(outer nuclear layer;外顆粒層)厚測定を行った。光照射開始から6日後にERG(Electroretinogram;網膜電図)による視機能評価を行った。Yellow Lensを挿入した眼では、Clear Lens挿入眼と比べ光照射によるTUNEL陽性細胞数の増加を抑制し、ONL厚の減少を抑制し、ERGのa波、b波の振幅低下を抑制した。400nm以下の紫外線に加え400-500nmの透過率も抑制したYellow Lens挿入眼では網膜障害が抑制された。網膜障害を考慮すれば、白内障手術では青色光付近の透過率も抑制したIOLを用いたほうが安全である可能性がある。
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