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2009 年度 実績報告書

SOD1ノックアウトマウスを用いたドライアイ発症における上皮間葉移行の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21592245
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

根岸 一乃  慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)

キーワード涙腺 / 酸化ストレス / 上皮間葉移行
研究概要

加齢変化とともに体内の酸化ストレスは増え続けている。以前に我々のグループはSOD1(Cu, Za-superoxide dismutase 1)ノックアウトマウスが加齢性黄斑変性と類似した病態を起こすことを報告している。我々は、酸化ストレスが涙線に与える影響を中心に研究しており、仮説としてEpithelial-Mesenchymal Transition(EMT;上皮間葉移行)が涙腺の酸化ストレスによる繊維化に関与していると考えた。今年度我々は10週と50週のSOD1ノックアウトマウスを用いて、涙腺の加齢変化を検討した。涙腺は加齢とともに顕著に繊維化を起こし、それとともに涙液分泌量は低下し、角膜上皮障害が増えており、この変化はノックアウトマウスで顕著であった。同様に免疫染色にて加齢とともにDNAの酸化ストレスマーカーである8-OHdG(8-hydroxy-2'-deoxyguanosine)および脂質酸化ストレスマーカーである4HNE(4-Hydroxy-2-nonenal)の発現上昇が確認でき、これもノックアウトマウスで顕著であった。50週ノックアウトマウスの涙腺を免疫染色でEMTに関連するマーカーを評価したところ、上皮細胞のマーカーであるE-カドヘリンの発現の低下及び、αSMAの発現上昇がノックアウトマウスにて確認された。また基底膜の構成成分であるコラーゲンtype1の発現を調査したところ、ノックアウトマウスでは基底膜に不連続性を認めた。電子顕微鏡での観察において、10週齢のノックアウトマウスではほぼ成城の構造が保たれていたが、50週齢においては涙腺腺房上皮細胞のmicrovilliの消失、間質への侵入を認める所見を得た。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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