| 研究概要 |
オルソケラトロジー治療群とコントロール群に群分けし,屈折、眼軸長、波面収差、角膜形状について経時的な評価を開始した.昨年度までに約半年のfollow upが終了し,オルソケラトロジー治療群において有意に眼軸の伸長が抑制されているという結果が得られたが,本年度は震災の影響により実験を中断せざるを得ず.この後のデータの収集ができていない.したがって,これまでに得られたデータからできるかぎりの解析を行う予定である.また基礎研究と併せて行ってきた臨床研究についてはデータの解析が終わり,論文の作成も終了した.現在,Investigative Ophthalmology Visual Science誌に論文投稿中であるが,すでに4度のリバイスを行っており,間もなくアクセプトとなる予定である.この一連の研究により得られた結果では,眼鏡矯正群(コントロール群)と比較してオルソケラトロジー群では有意に近視進行抑制効果が認められ,本治療法の小児近視進行抑制効果を明らかなエビデンスを持って証明するという点において,極めて重要な研究であり,現在の高い近視の有病率や近視に伴う様々な眼合併症の発生を考えると,その社会的意義は非常に大きい研究であったと言える.また,治療開始年齢が低いほど効果が大きいことも判明し,これまで曖昧だった開始年齢についても一定の見解を示すことができたと考えている.研究で明らかとなった近視進行抑制治療効果は眼科学や一般社会に還元できるところが大きく,公的研究資金を得た責任は十二分に果たせたと自負している.
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