研究課題/領域番号 |
21592256
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻川 明孝 京都大学, 医学研究科, 助教 (40402846)
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研究分担者 |
山城 健児 京都大学, 医学研究科, 助教 (80399617)
大音 壮太郎 京都大学, 医学研究科, 助教 (10511850)
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キーワード | 補償光学 / 走査型レーザー検眼鏡 / 光干渉断層計 / 視細胞 / 血流 / 糖尿病 |
研究概要 |
補償光学システム、トラッキングシステムを導入した走査型レーザー検眼鏡第2試作機を用いて特発性黄斑円孔、中心性漿液性脈絡網膜症、特発性黄斑上膜など、種々の黄斑疾患に伴う中心窩近傍の視細胞の変化を観察・評価を行ってきた。特に、治癒後の中心性漿液性脈絡網膜症では光干渉断層計では正常に見えるような症例でも、中心窩の視細胞の脱落が生じていること、視力が低下している症例では広汎に視細胞の脱落を伴っていることを発見し、報告してきた。更に、網膜毛細血管レベルでの血流動態を可能とするためには、補正にかかる時間を短縮し、ビデオレートでの撮影を可能にすることが必要である。眼底トラッキング機能の向上により固視微動などの補正を高速で行い、更に、平面分解能約3μmの高解像度画像を獲得するために、リアルタイムに眼球全体の収差を計測し、測定光束が眼底をスキャンする前後で波面補正素子を2度通過させることで完全に眼球収差を取り除くシステムを採用しているが、処理速度を高め、ビデオレートでの観察を行うことができるようなシステムに改良を行ってきた。本システムにより、網膜の比較的太い血管では血球が流れている像を観察できるようになった。更に、画像を改善することにより、本システムでのヒト網膜毛細血管レベルでの血流動態・血管-血球の相互作用を評価することが可能になることが期待される。
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