研究課題/領域番号 |
21592257
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
前田 直之 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (00273623)
|
研究分担者 |
井上 智之 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50432539)
不二門 尚 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50243233)
|
キーワード | 視覚の質 / 収差 / 散乱 / 光干渉断層計 / 眼光学 |
研究概要 |
まず、正常眼と円錐角膜眼に対して角膜前後面の形状解析を行い、それによって得られた高さのデータから角膜前後面由来の高次収差を算出して、両者を比較した。その結果円錐角膜においては、前面と後面の両方において高次収差が有意に正常より高値を示し、Zernikeベクトル解析の結果では高次収差の内、矢状収差、コマ収差、球面収差で有意であった。また、コマ収差の軸は前面と後面で逆転していた。この結果、円錐角膜では角膜前面と後面の高収差はある程度お互いに打ち消していることが明らかになり、円錐角膜においてハードコンタクトレンズ装用時に生じる残余不正乱視の原因として、角膜後面由来の高次収差由来であることが示唆された。次に、エキシマレーザーによるLASIKにおいて、その照射パターンをして従来のものと、最適化した非球面のものを比較した。その結果、中央6mmの眼球収差は、従来群が非球面照射群に比較して有意に高値であった。特に球面収差、コマ収差に関しては、非球面群が有意に低値であり、その他の項については、その量および軸について両者に有意差はなかった。以上のことより非球面照射は手術による医原性不正乱視、特に球面収差とコマ収差の発生の予防に有用である可能性が示唆された。
|