Swept source-OCTを用いて、得られた角膜の3次元立体再構築データから、角膜前面、後面の高さ情報、屈折力分布のマップ表示および角膜厚分布表示のアルゴリズムを完成させ、プラチド式およびシャインプルーク式角膜トポグラファーと比較したところ、角膜前面における屈折力のパターンは3者で、角膜前後面の高さのマップは2者で似通っており、基本的に問題がないことが判明した。さらに進行した円錐角膜や角膜移植後など角膜形状異常が高度の対象では、OCT以外の装置では解析が困難であり、OCTによる角膜形状解析の優位性が示された。また、角膜内皮移植な角膜層状移植における母角膜と移植片の角膜厚を別個に表示し、さらに両者の接合面の高さ情報をマップとして表示、解析するシステムを構築した。その結果、近視手術のLASIKにおいても、そのフラップと母角膜の厚み分布を表示させたところ、マイクロケラトームとフェムト秒レーザーで形成されるフラップの形状が異なることが、角膜厚みの分布で定量的に差として定量的に示された。また、Full field-OCTによる角膜の非侵襲的病理組織評価では、豚眼角膜を人工前房にマウントして眼圧を18mmHgから70mmHgまで変化させて観察したところ、角膜上皮間に高眼圧時には水が移動するため、その細胞境界が鮮明になることや、角膜実質細胞の像強度の変化が、正面像、および断層像として観察された。これらの変化は可逆的であり、同一角膜を連続して経時的に観察可能なシステムが構築可能であった。
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