研究課題
アレルギー性結膜炎発症において抗原提示細胞は重要な役割を果たす。しかし、結膜においてどのような細胞が抗原提示細胞として働いているかは不明である。本年度は結膜のどの細胞が抗原を取り込み、T細胞に提示するかを明らかにすることを目的とした。卵白アルブミン特異的T細胞受容体遺伝子導入マウス(DO11.10)の脾臓細胞を卵白アルブミン(OVA)、金(gold)、OVAとgoldの重合体(OVA-gold)で刺激を加えた。OVA-gold刺激を受けた脾臓細胞はOVA刺激の場合と同様に増殖したが、gold刺激では増殖反応を認めなかった。続いて、DO11.10マウスにOVA、gold、OVA-goldを結膜下注射し、24時間後に結膜を採取し、結膜炎の発症ならびに免疫組織化学法あるいは電子顕微鏡により結膜においてどの細胞がOVA-goldを取り込んでいるかを調べた。OVA-goldを結膜下注射することによりOVA結膜下注射の場合と同様に結膜に好酸球とCD4陽性T細胞の浸潤を認めたが、goldの結膜下注射では炎症細胞浸潤はみられなかった。OVA-goldを取り込んでいる細胞はCD11b陽性、CD68陽性でMHCクラス2を発現していた。またOVA-goldは細胞質に存在していた。以上の結果より、結膜に存在するマクロファージがアレルギー性結膜炎発症時に抗原提示細胞として働いていることが明らかとなった。
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