研究課題
1) 視細胞外節機能評価目的:視細胞の重要な機能である、光情報生成のfirst stepは視細胞外節におけるレチノールの構造変化である。視細胞外節機能を評価する目的で、眼底自発蛍光を用いた視物資密度計測(autofluorescence densitometry;AFD)を開発した。この手法は、市販の蛍光眼底撮影装置(HRA2)を用いて、視物質密度を計測することができるが、波長特性より主に桿体におけるロドプシン密度が測定されていると考えられる。中心窩の視物質密度の計測のためにはより長波長の光源を用いた計測が必要であるためより長波長の自発蛍光によるAFD計測の可能性について検討する。方法:本年度はHRA2の照射光(488nm)より長波長のレーザー光源(532nm)を有するF-1O(ニデック社)を一部改良し、画像の撮影が可能かどうかを評価した。結果:励起光フィルターを555nmに設定することにより、中心窩の黄斑色素に影響を受けない自発蛍光像を撮影することが可能になった。現在、取得画像より視物質密度を計測するいくつかの解析手法に関して検討中である。2) 赤外自発蛍光と網膜色素上皮機能の関連性の検討目的:赤外自発蛍光は、RPE内および脈絡膜のメラニンに由来するため赤外自発蛍光を観察することにより、RPEの機能が評価できる可能性がある。しかし、現在のところ赤外自発蛍光とRPE機能の関連については不明である。赤外自発蛍光の機能への意義付けを考える目的で中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)における赤外自発蛍光の変化を検討した。方法:CSCの赤外自発蛍光と青色光自発蛍光、OCT所見、視力との関連を検討した。結果:青色光自発蛍光を示す部位は長期の経過で赤外光自発蛍光低蛍光となった。赤外光自発蛍光が低蛍光がある症例では有意に視力が低下していた。(IOVS in press)赤外光自発蛍光が低下している部位ではRPE内のメラニンの減少に伴うRPE細胞機能低下が生じている可能性がある。今後、赤外自発蛍光低下と視細胞外節機能の関連に関して検討する予定。
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