研究課題
視細胞外節障害時の視細胞応答機構の解明にあたって、眼底自発蛍光を用いて検討を行うことから、基礎的研究として、剥離網膜下細胞の自発蛍光特性を検討した。臨床的には中心性漿液性脈絡網膜症の治癒過程における視細胞密度を検討した。(1)基礎研究:眼底自発蛍光を応用し視細胞外節障害時の視細胞応答機を解明する研究の一環として構陳旧性の裂孔原性網膜剥離に見られる網膜下細胞の種類と自発蛍光特性について検討した。網膜下には網膜色素上皮細胞、マクロファージとその他の細胞が見られた。網膜色素上皮細胞とマクロファージのautofluorescence spectrumを検討した。網膜色素上皮細胞とマクロファージはほぼ等しい蛍光特性を示した。このことからマクロファージは視細胞外節を貪食し、自発蛍光を獲得することが明らかとなった。両者の蛍光特性がほぼ等しいことから自発蛍光物質は、貪食される前の視細胞外節で既に産生されている可能性が示唆された。臨床的には、現在の眼底自発蛍光観察器機では網膜下のマクロファージと網膜色素上皮細胞の判別は難しいことが明らかとなった。(2)中心性漿液性脈絡網膜症における漿液性網膜剥離の消退期の視物質密度を、眼底自発蛍光を応用したAutofluorescence densitometry (AFD)で検討した。漿液性網膜剥離が存在すると視物質密度は減少した。網膜復位後、視物質密度は回復した。視物質密度の回復は、光干渉断層計による観察で視細胞外節・内節接合部位が明瞭に観察できる症例で著明であったが、AFD所見と必ずしも一致しなかった。このことから、AFDはOCTによる形態観察のみでは評価できない視細胞外節機能の評価が可能であることを明らかにできた。
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