研究課題
研究代表者らはサル緑内障モデルを用いて、その病態における外側膝状体の変化をPETにより検討した。末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)のPETリガンドである[^<11>C]PK11195を用いた活性化ミクログリアの非侵襲的なPETイメージングは多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病など、様々な神経変性疾患に広く利用されている。PBRは正常脳のような活性化していないミクログリアやアストロサイトではその発現レベルは低いあるいは発現していないが、それらが活性化されることにより発現が増加する。研究代表者らはサル緑内障モデルにおいて高眼圧後の慢性期(4-12ヶ月)において外側膝状体内に[^<11>C]PK11195の高い結合活性が検出されることを見出し、すでに報告している。今回さらに、同モデルにおいて緑内障の早期(4週間)においても[^<11>C]PK11195の結合活性が有意に増加していることを見出した(平成23年度論文掲載、下記11.研究発表参照)。以上より、緑内障早期の外側膝状体においてPBR陽性活性化ミクログリアが増加し、PETによる非侵襲的なPBRイメージングが緑内障の早期診断に有用である可能性が示唆された。ただし、本研究成果はあくまでも実験的緑内障モデルを用いたもので、緑内障患者においてPBRのイメージングが早期診断に有用であるかどうかは今後の検討課題である。
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PLoS ONE
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