研究課題/領域番号 |
21592281
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大橋 研介 日本大学, 医学部, 助手 (10526065)
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研究分担者 |
永瀬 浩喜 日本大学, 医学部, 客員教授 (90322073)
杉藤 公信 日本大学, 医学部, 助教 (10328750)
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キーワード | 小児固形腫瘍 / 癌関連遺伝子 / MYCN遺伝子 |
研究概要 |
平成21年度にヒト神経芽腫細胞株での抗腫瘍効果が確認できたPIポリアミド化合物(matchポリアミド)を用い、平成22年度は神経芽腫腫瘍形成モデルマウスを用いたIn vivoの検討を行った。 1.腫瘍形成モデルの作製、MYCN遺伝子の発現の確認 すでにCHP134のヌードマウスへの移植モデルは報告されており、これに準じて腫瘍形成モデルマウスを作製した。形成した腫瘍からRNAを抽出しreal time RT-PCRでMYCN遺伝子の発現の確認を行ったところ、MYCN遺伝子の発現が確認された。 2.実験動物におけるPIポリアミド化合物の薬物動態の確認 matchポリアミドをFITCでラベルし、ヌードマウスに尾静脈から全身投与しようと試みるも、FITCラベリングにより、PIポリアミド化合物の水溶性の低下を招き、全身投与が困難であった。そこで前述の腫瘍形成モデルマウスの腫瘍への直接投与を行い、投与後24時間および7日後に解剖し、肝、脾、肺、腎、胃、小腸、皮膚および脳組織を蛍光顕微鏡で確認した。その結果、24時間および7日後の摘出腫瘍組織において腫瘍細胞の核内にPIポリアミド化合物の存在を認めたが、そのほかの組織では確認できなかった。 3.腫瘍形成モデルマウスへのPIポリアミド化合物の投与 1.で作製した腫瘍形成モデルマウスの腫瘍体積が200mm_3に達した時点で、matchポリアミド6mg/kgを腫瘍に局所注射した。MYCNのプロモーター領域に結合配列を持たないPIポリアミド化合物(mismatchポリアミド)を同様の条件で局所注射したものをコントロール群とし、抗腫瘍効果を検討したところ、matchポリアミド投与群で腫瘍増殖を抑制する傾向にあった。 平成23年度は個体数を増やし引き続き抗腫瘍効果およびMYCN遺伝子の発現抑制効果につき検討する。
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