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2010 年度 実績報告書

局所免疫寛容を誘導する同種再構築皮膚の開発に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 21592290
研究機関札幌医科大学

研究代表者

松本 佳隆  札幌医科大学, 医学部, 助教 (70452977)

研究分担者 四ッ柳 高敏  札幌医科大学, 医学部, 教授 (70250595)
キーワード同種皮膚移植 / 免疫寛容 / サイトカイン / 再構築皮膚 / 3次元培養 / 組織工学 / 不死化株 / HPV E7
研究概要

再構築皮膚の同種移植動物モデルを作製するため、構成細胞として表皮部分を担う表皮細胞と真皮部分を担う線維芽細胞を、近交系ラットからそれぞれ初代培養を行い成功した。表皮細胞は継代数が限られるため実験精度、効率を上げるために表皮細胞の不死化株を作製することが有意義であると考えている。ラットの細胞を不死化させる方法として、HPV16E7の遺伝子導入(pRbの不活化目的)が報告されているので我々は遺伝子発現ベクター(pMXs-puro)に組み込み(pMXs-E7)、これを近交系ラットであるACIラットの表皮細胞へ遺伝子導入した(AK-E7)。ACIラットのwild typeの表皮細胞はCnT-3という培養液を用いてpopulation doubligで継代培養すると10継代くらいで分裂しなくなるが、遺伝子導入されたAK-E7は少なくとも30継代までは分裂し続けている。
E7を遺伝子導入することで癌化の可能性も否定できないため免疫不全動物の皮下へ移植したところ、陽性コントロールとしてCaski(子宮頸癌のcell line)を移植した群は増殖を認めたが、AK-E7を移植した群は免疫不全動物内での増殖を示さなかった。またAK-E7はconfluentまで培養すると死んでいく所見も認められた。つまり、AK-E7はThmorigenicityを示さず、contact inhibitionを示すことで正常の表皮細胞の形質を示しており、今後の実験を行う上でのcell sourceとして申し分ない性質を持つと考えられた。
今後、AK-E7ならびにAFB(ACI由来線維芽細胞)を用いて三次元培養を行い再構築皮膚を作製し、また免疫寛容システム導入のため免疫抑制性サイトカインの検討を行う予定である。

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公開日: 2012-07-19  

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