手術や外傷の後に生じる肥厚性瘢痕は、臨床上大きな問題であり多くの研究がなされたが、その病態解明や画期的な治療薬の開発には至っていない。この原因は、ヒト肥厚性瘢痕に相同する動物実験モデルの欠如によることが大きい。これまで、米国でred female red duroc pigを用いた動物モデルが開発されているが、数カ月で数百Kgと本邦の実験施設での利用は難しい。このため、Duroc pigの系を持つClawn系ミニブタで、その作成を試み、その相同性を確認した。更に、このモデルにて組織キマーゼ活性がその病態に深く関わっていることが判り、キマーゼ阻害薬が肥厚性瘢痕の治療に可能性があることが判った。
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