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2011 年度 実績報告書

低酸素ストレス負荷における脳内グリア細胞の応答と神経細胞に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 21592302
研究機関山形大学

研究代表者

伊関 憲  山形大学, 医学部, 准教授 (70332921)

研究分担者 後藤 薫  山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
キーワード生体ストレス応答 / OGD酸素グルコース欠乏 / 海馬神経細胞 / 核内脂質代謝酵素 / 細胞死
研究概要

交通事故等による外傷性脳損傷、および心血管系の閉塞や破綻に起因する脳虚血・脳梗塞・脳出血は、救急医学において生命維持に関わる代表的な病態である。これらの病態に共通する現象は、「血液還流障害による脳の低酸素ストレス負荷」と総括できるように思われる。従来行われてきた脳損傷や虚血モデル研究においては、グリア細胞と神経細胞の動態を別個に扱った研究が大部分であった。本研究ではこの点に着目し、申請者らがこれまで解析してきた細胞内二次メッセンジャー代謝酵素ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)の動態を指標として、同一モデルによる神経細胞とグリア細胞の経時的動態解析を全体の研究目標に設定した。
本研究ではまず「血液還流障害による脳の低酸素ストレス負荷」の要因解析を行うために、脳スライス標本モデルを用いた実験系を立ち上げ解析を行った。ラット海馬スライスに酸素グルコース欠乏負荷(oxygen-glucose deprivation : OGD)を与え、ζ型DGKの細胞内局在の経時的変化を詳細に検討した。ζ型DGKはこれまでの虚血モデル実験と同様、海馬神経細胞においてOGD負荷20分後から徐々に核外に移行し、その後、酸素グルコースを含む通常培養条件下に戻しても再び核内に戻ることはなかった。一方、OGD負荷10分後ではζ型DGKの核外移行は認められないが、その後、通常培養条件下に戻すと60分後にはζ型DGKが完全に核外へ移行することが明らかとなった。以上より、10分間のOGD負荷により細胞死カスケードが作動し、ζ型DGKの核外移行が誘導される可能性が示唆された。さらにこのζ型DGKの核外移行には、NMDA受容体刺激による細胞外Ca2+の細胞内流入が重要であると考えられた。本研究は、神経細胞のおける虚血ストレス応答メカニズム解明の一助となるものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Altered expression pattern of testican-1 mRNA after brain injury2012

    • 著者名/発表者名
      Iseki K, et.al.
    • 雑誌名

      Biomedical Research

      巻: 32 ページ: 373-378

    • 査読あり
  • [雑誌論文] NMDA receptor-mediated Ca(2+) influx triggers nucleocytoplasmic translocation of diacylglycerol kinase ζ under oxygen-glucose deprivation conditions, an in vitro model of ischemia, in rat hippocampal slices2012

    • 著者名/発表者名
      Suzuki Y, Yamazaki Y, Hozumi Y, Okada M, Tanaka T, Iseki K, et.al.
    • 雑誌名

      Histochemistry and Cell Biology

      巻: 137 ページ: 499-511

    • DOI

      10.1007/s00418-011-0907-y

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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