研究課題
基盤研究(C)
扁平上皮におけるNOTCH1の基底細胞特異的な発現を明らかにした。NOTCH1は口腔、食道、子宮頚部の上皮性腫瘍で発現が減弱していた。子宮頚部では発現が維持される傾向があった。NOTCH1の発現の減弱は前癌病変でもみられ、高度上皮異形成との差はほとんどみられなかったので、浸潤などの癌特異的な現象への寄与は少ないと考えられた。培養細胞の実験で、NOTCH1の発現減弱はケラチン13,ケラチン15の発現減弱と、ケラチン17の発現増強を起こした。NOTCH1ノックダウン細胞は前癌病変のような異形成上皮を作った。NOTCH1の発現減弱とケラチンの発現変化は免疫染色とcDNAマイクロアレイでも確認された。これらより、NOTCH1の発現の減弱は基底細胞の最終分化を抑制し、未熟な上皮を作り、上皮異形成の発生に重要であることが示唆された。また、NOTCH1発現の減弱は上皮細胞を分化した正常状態から、未分化で活性化した状態に変える、内在性のメカニズムであることが示された。これは上皮の恒常性維持に重要な機構である。
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