口腔上皮は口腔を遍く覆い、食物や飲み物からの温度や機械刺激など多様な刺激に曝されている。口腔上皮はそれらの刺激を適切に受容し、刺激物や毒物は排出し、必要なものを取り込む事ができる。口腔への温度刺激は身体の他の部位に比べ、高低の幅が広いが、その受容については、明らかとはいえない。私たちは、口腔上皮細胞自体が温度を受容する機構を備え、その刺激に対し、積極的に対応しているとの仮説を立て研究を行った。そして、口腔上皮細胞が温度感受性のTRPVチャネルを発現していることを示した。さらに、チャネル活性により口腔上皮細胞の細胞増殖や細胞間接着が制御されていることが示唆された。
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