研究課題/領域番号 |
21592336
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
宮崎 敏博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10174161)
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研究分担者 |
馬場 友巳 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60189727)
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キーワード | 歯 / 第三象牙質 / Runx2 / 組織・細胞 / 象牙芽細胞 / 組織細胞化学 / オステオポンチン / オステオカルシン |
研究概要 |
我々は、象牙芽細胞特異的にRunx2を発現させたトランスジェニック(Tg)(Col1a1-Runx2)マウスを用いて象牙芽細胞分化過程におけるRunx2の機能を解析し、Runx2は象牙芽細胞を骨芽細胞様の細胞に形質転換することを明らかにした。そして、Tgマウスの象牙質が、う蝕・咬耗・磨耗・窩洞形成等の刺激により形成される第三象牙質の特徴と多くの共通点を有することから、本研究はRunx2の第三象牙質形成における役割を組織細胞学的に解明することを目的とした。本年度は、主にヒトの歯における第三象牙質をTeマウス象牙質と組織学・組織化学的に比較することに重点を置いて研究を行った。ヒトの健常歯、および、う蝕、歯周病による抜去歯を通常のヘマトキシリン・エオジン染色により観察して第三象牙質形成歯をサンプリングし、Arana-Chavez and Massa(2004)等の文献を参考に象牙細管や埋入細胞の有無などによりタイプ分けした。そして、それらにおけるRunx2の発現と、象牙芽細胞マーカーおよび各種硬組織基質タンパク質の発現を免疫組織化学により解析した結果、第三象牙質において、その形成細胞におけるRunx2の微弱な発現と骨基質に主に発現するオステオポンチンやオステオカルシンの強い発現を認め、Teマウス象牙質の性質と非常に類似することが明らかになり、Runx2の第三象牙質形成への関与が示唆された。現在、マウスの加齢歯や窩洞形成により得られた反応性の象牙質について同様の解析を行っている。
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