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2010 年度 実績報告書

破骨細胞の分化機能におけるコレステロール要求性とcaveolin-1の役割を探る

研究課題

研究課題/領域番号 21592341
研究機関明海大学

研究代表者

羽毛田 慈之  明海大学, 歯学部, 教授 (90164772)

研究分担者 佐藤 卓也  明海大学, 歯学部, 講師 (00316689)
金田 利夫  星薬科大学, 薬学部, 講師 (70339521)
キーワード破骨細胞形成 / caveolin-1 / LDL受容体 / ノックアウトマウス / 分泌機構
研究概要

【目的】脂質異常症と骨粗鬆症との関連性が報告されているが、その分子機構には不明な点が多い。本研究は、cholesterolが破骨細胞の分化に及ぼす影響を、LDL receptor欠損(KO)マウスを用いて検討した。【結果】In vitroにおいて、RANKLで誘導されるマウス骨髄細胞からの破骨細胞形成は、LDLを除去した血清中で、正常血清中と比べ有意に抑制された。この抑制は、培地にLDLもしくは酸化LDL(ox-LDL)を添加することにより相加的に回復した。LDLとox-LDLの受容体であるLDLRとscavenger receptor classAは、破骨細胞の分化過程で恒常的かつRANKL非依存的に発現した。LDLR-KOマウス骨髄細胞由来の破骨細胞形成は、野生型と比較して形成が遅延し、形成される破骨細胞は小型であった。RANKLによるErkとAktの活性化、また、c-fos,NFATc1,TRAPとcathepsin Kの発現は、野生型とKOマウスの細胞間で差がなかった。一方、細胞融合した単核の前破骨細胞の数を表すfusion indexは、KO群で野生型群の約20%であり、前者における細胞融合障害が示された。しかし、細胞融合タンパク質であるAtp6v0d2とDC-STAMPのmRNA発現は、両マウス間で差がなかった。一方、細胞膜とcholesterol-richなlipid raft中のAtp6v0d2量は、KOの破骨細胞で有意に減少した。さらに、骨形態計測から、KOマウスの大腿骨は野生型に比べ、骨量と骨梁数が有意に増加した。しかし、caveolin-1-KOマウスに関しては、破骨細胞形成に変化は見られなかった。【考察】破骨細胞分化は細胞外cholesterolに強く依存することが明らかとなった。その機構として、細胞内cholesterol減少によるAtp6v0d2の細胞膜へのtraffickingが障害され、破骨細胞の細胞融合が減少することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Highly-requirement of exogenous cholesterol and positive role of lipid raft for osteoclast differentiation2010

    • 著者名/発表者名
      羽毛田慈之
    • 学会等名
      2010 Annual Meeting of American Society of Bone and Mineral Research
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      20101015-20101019
  • [学会発表] Osteocytic MLO-Y4 cells inhibit osteoclastogenesis by a soluble factor(s), independent of modulation of RANKL/OPG productions by stromal cells2010

    • 著者名/発表者名
      羽毛田慈之
    • 学会等名
      2010 Annual Meeting of American Society of Bone and Mineral Research
    • 発表場所
      Toronto, Canada
    • 年月日
      20101015-20101019
  • [学会発表] 破骨細胞形成における骨細胞の影響を分析可能な三次元重層培養系の開発2010

    • 著者名/発表者名
      羽毛田慈之
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会学術大会・総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20100920-20100922

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公開日: 2012-07-19  

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