研究課題/領域番号 |
21592344
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
石原 和幸 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00212910)
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研究分担者 |
加藤 哲男 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (00159253)
君塚 隆太 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (90287178)
稲垣 覚 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (20385165)
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キーワード | Polymicrobial infection / Biofilm / Periodontopathic bacteria / Periodontitis / Fusobacterium nucleatum / Porphyromonas gingivalis / Invasion / Synergistic effect |
研究概要 |
歯周病原性菌のpolymicrobial infectionの解析を目的とし、根尖性歯周組織炎中から細菌を分離し、その成立に関わる細菌の組成を解析した。根尖部から分離された細菌の主要なものは、Fosobacterium nucleatum, Propionibacterium acnes, Staphylococcus epidermidisであった。これらの菌の組み合わせによるバイオフィルム形成促進作用を解析すると、F.nucleatumとPorphyromonas gingivalisとの間にバイオフィルム形成促進作用が認められた。Two compartment systemを用いて解析すると、この作用は、P.gingivalis由来の可溶性mediatorによると考えられた。さらにこの2菌種を用い、ヒト歯肉上皮細胞への感染実験を行った。P.gingivalisのヒト歯肉上皮細胞への侵入性は、単独感染の場合に比べて、F.nucleatumとの混合感染の場合に著明な上昇が見られた。これらの菌種間の共凝集を阻害するgalactoseによってその侵入性が25%程度抑制を受けたことより、細菌間の共凝集がこの侵入性に一部関与していると考えられた。さらにF.nucleatumの侵入阻害性を有しP.gingivalis侵入を抑制しないcyclohexiamideが混合感染時のP.gingivalisの侵入が強く抑制したことから、P.gingivalisの侵入にF.nucleatumと細胞との間の相互作用が重要な役割を果たしていると考えられた。これらの結果は、polymicrobial infectionが歯周病原性菌の病原性発揮に重要な役割を果たすことを示唆している。
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