研究課題
Porphyromonas Treponema denticola、T.forsythiaの3菌種は慢性歯周炎歯周炎病巣から高頻度に分離されるためred complexと呼ばれている。これらの菌による歯肉溝内でのコンソーシア形成は歯局炎の発症に重要な役割を果たす。本研究では、このメカニズムを明らかにする目的でred complexのうちP. gingivlis、T.denticolaに焦点を当て解析を行った。P.gingivalisとT.dnticolaの共凝集のメカニズム解析では、P.gingivalisのタンパク分解酵素であるarg-gingipainA, arg-gingipainB, lys-gingipainを欠損させると共凝集反応が消失した。P.gingivalisの線毛の欠損株によっては共凝集は影響を受けなかった。さらにarg-gingipainA, lys-gingipain, hagAの欠損株によっても共凝集活性が認められなかった。この3つのタンパクに共通のドメインとして認められるHGP44に注目し、HGP44のcopy数と共凝集活性について欠損株を用いて比較すると、HGP44の数の減少とともに共凝集反応が弱くなっていた。これらの結果から、HGP44は、P.gingivalisとT.denticolaの共凝集の主要なligandとして機能し、歯周病原菌によるコンソーシア形成に重要な役割を果たすことが明らかになった。さらに歯肉溝内でのコンソーシア形成には病原体と宿主間のcross talkが重要な働きを果たす。P.gingivalisと宿主の間のcross talkについて歯肉溝滲出液中でストレスに伴って変動するnoradrenalineが、P.gingivalisの増殖に与える影響について解析した結果では、noradrenallneによって、P.gingivalisの増殖速度の低下と病原性因子であるarg-gingipain産生の上昇が認められ、宿主のストレスに対する応答が歯周病原細菌の病原性に影響を与えていること明らかにできた。
すべて 2011 2010 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Arch.Oral Biol.
巻: 56 ページ: 244-250
BMC Oral Health
巻: 11 ページ: 1-11
J Oral Biosci
巻: 53 ページ: 82-86
Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod
巻: 109 ページ: 149-154
DOI:10.1016/j.tripleo.2009.08.028
Periodontol 2000
巻: 54 ページ: 117-135
DOI:10.1111/j.1600-0757.2009.00345.x
J Biomed Sci Eng
巻: 3 ページ: 1069-1072
DOI:10.4236/jbise.2010.311138
Biological Chemistry
巻: 60 ページ: 1047-1055
FEMS Immunol Med Microbiol
巻: 391 ページ: 251-260
Bull Tokyo Dent.Coll.
巻: 51 ページ: 145-150
日歯周誌
巻: 52 ページ: 239-244
http://www.tdc.ac.jp/dept/mb/page1/page1.html