研究課題/領域番号 |
21592345
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
青葉 孝昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (30028807)
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研究分担者 |
田谷 雄二 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30197587)
添野 雄一 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (70350139)
佐藤 かおり 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (90287772)
島津 徳人 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10297947)
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キーワード | 歯学 / 器官発生 / マウスモデル / 顎顔面形成 / 裂奇形 / 上皮間葉相互作用 / 細胞形質 / 遺伝子ネットワーク |
研究概要 |
本研究では、顎顔面領域の癒合現象における突起先端上皮細胞(MEE細胞)の役割・運命に関連して、組織形態学的な表現型解析とその背景をなす分子間ネットワークを調べるとともに、器官培養系での遺伝子ノックダウンによる表現型異常と細胞動態への影響を明らかにする。前年度までにマウス胎仔下顎突起および二次口蓋突起の癒合部位を対象としたDNAマイクロアレイ解析により発生時期特異的な発現変動を示す遺伝子群の抽出を行なった。得られた発現プロファイルに基づいた分子ネットワーク解析を実施し、下顎突起癒合におけるWnt、Hedgehog、Bmpシグナル系の発現変化を見出した。二次口蓋突起では、TGFβ、レチノイン酸シグナル系が高い発現変動を示し、接着期において発現変動するCask分子については、MEE細胞におけるマイクロダイセクション・リアルタイムPCR法での発現検証と、CaskおよびF11rなどの複合体関連分子について蛍光免疫染色による二次口蓋突起での局在を確かめた。最終年度では、今までに得られたデータを精査し、想定された分子ネットワークについて検証した。下顎突起では、正中癒合領域の間葉細胞が高度な増殖活性を有していることが確かめられ、下顎突起の癒合現象では間葉細胞による増殖圧が上皮層の分断と間葉合流を促すことが示唆された。これらの間葉細胞の増殖活性の制御には上皮側からのShh、Wnt5a、Bmp4/5、Tgfb2を起点とするシグナル回路が働くと推定された。二次口蓋突起では、Tgfβ3シグナルの制御下で、SyndecanはCdc42などと協働して糸状仮足の形成と糸状仮足間での初期接触に働き、キナーゼ活性をもつCaskはSyndecanの細胞内ドメインと結合して、リン酸化を介した情報伝達に関与することが示唆された。
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