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2010 年度 実績報告書

侵襲型歯周炎原因菌のキノールペルオキシダーゼの生理的役割と病原性との関連の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21592346
研究機関日本歯科大学

研究代表者

古西 清司  日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (20178289)

キーワード蛋白質 / 歯学 / 微生物 / 感染症 / 細菌
研究概要

Actinobacillus(Aggregatibacter)actinomycetemcomitansは、侵襲型歯周炎の原因菌のひとつとして知られており、細胞膜結合性のペルオキシダーゼを産生する。この酵素は報告者らが精製、クローニングを行い、詳細な生化学的性質を報告した。このペルオキシダーゼは、ユビキノール-1(還元型ユビキノン-1)を電子供与体として、過酸化水素に電子を伝達し、これを還元して水にする活性を有しているので、キノールペルオキシダーセ(QPO)と命名した。QPOは3個のヘムcを有した、N末端に1回膜貫通領域を持つ分子量が53KDaのモノマータンパクであり、内膜に結合し、ペリプラズム側に突き出た構造をしている。QPOは呼吸鎖成分のキノンと連結しているので呼吸鎖のメンバーと考えることもできる。今年度は、QPOの阻害剤としてアスコフラノンとアスコクロリンを見い出し、その阻害様式について詳細に解析し、生菌にこれらの阻害剤を添加して増殖させると病原因子の一つで活性酸素に高感受性のロイコトキシン(LtxA)の産生が阻害されるので、QPOの生理的な役割は、過酸化水素を環境から除くことにあると推定される。この結果は、以前のQPO変異株を用いた研究成果とも一致する。さらに、大腸菌を用いたリコンビナントQPOの大量生産系について検討した結果、結晶化を試みるのに必要な量を入手可能であるが純度や量に関してさらなる改善が必要である。また結晶化に関しては、針状結晶が得られているが、X線解析には適切な段階に達していないので、引き続き結晶化条件を検討する。また、部位突然変異を酵素に導入する系を確率したので、今後変異QPOを順次作製し、解析する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A quinol peroxidase inhibitor prevents secretion of a leukotoxin from Aggregatibacter actinomycetemcomitans.2010

    • 著者名/発表者名
      Eizo Takashima, Hiroyuki Yamada, Ayako Yajima, Kazuro Shiomi, Satoshi Omura, Kiyoshi Konishi
    • 雑誌名

      J.Periodontal Res.

      巻: 45 ページ: 123-128

    • 査読あり
  • [学会発表] Aggregatibacter actinomycetemcomitans由来quinol peroxidaseの精製と結晶化条件の探索2010

    • 著者名/発表者名
      山下智佳子、古西清司、原田繁春
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県)
    • 年月日
      2010-12-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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