研究概要 |
CD21陽性細胞の樹立のため、発現プラスミドpCIneoにCD21cDNAを組み込んだベクターを唾液腺上皮細胞に遺伝子導入を試みている。pCIneoをlinpofectamin2000, Lipfectinなど数種の試薬を用いて遺伝子導入を試み、一過性発現時の蛋白発現量をウエスタンブロッティングならびにフローサイトメーターで確認を行った。その結果、一過性発現細胞数が十分得られていない事が明らかとなり、遺伝子導入方法をアデノウイルスベクターを用いた方法に切り替える事にした。pCIneo-CD21からCD21のcDNAを切り出し、pAxCAwtitベクターに組み込んだ。現在293細胞に遺伝子導入し、アデノウイルスウイルスの作製を試みている。その他に、TLRを介したEBウイルス核酸のシグナルによるBAFFの発現増強を検出するため、ウイルスRNAの受容体であるTLR3,ウイルスDNAの受容体であるTLR7およびTLR9について発現ベクターの作製を行っている。さらにBAFFの遺伝子発現をモニター出来るような、BAFFプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込み、BAFF-Lucプラスミドを得た。現在、プロモーター活性の確認を行っている。その他に、EBウイルスが発現する小RNAのEBERは核内蛋白のLaと複合体を形成する事が知られており、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患ではこのLaに対する自己抗体の出現が認められていることから、EBウイルス感染によりEBER-La複合体による自己免疫応答が惹起あるいは増強される可能性を検討するために、La蛋白の発現プラスミド、並びにEBERをin vitroで転写させるためのT7プロモーターを有するベクターへの組み込みを行っている。
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