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2011 年度 研究成果報告書

口蓋裂発症モデルマウスを用いた口蓋裂重症化抑制を標的とする予防的薬物療法の開発

研究課題

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研究課題/領域番号 21592349
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 形態系基礎歯科学
研究機関朝日大学

研究代表者

滝川 俊也  朝日大学, 歯学部, 講師 (90263095)

研究期間 (年度) 2009 – 2011
キーワード口腔解剖学(含組織学・発生学)
研究概要

ヒトにおける口蓋裂表現型はさまざまであることはよく知られており、ヒトの口蓋裂の発症原因は多因子説で説明されている。しかし、実験動物を用いた口蓋裂モデルの口蓋裂表現型のほとんどすべてが完全口蓋裂のみを呈する結果、どのような種類の因子がヒトの口蓋裂表現型の多型性を生み出しているのか謎のままであり、そのメカニズムの解明が待たれている。当該研究はエピジェネティックな修飾因子が口蓋裂表現型の多型性を生み出していることを完全口蓋裂のみを発症するC57BL/6J系統TGFβ3遺伝子欠損マウスを用いて証明することを目的とした。さらに、当該研究はDNAメチル化酵素阻害剤の1つであるRG108を用いて口蓋裂重症度の改善を標的とする予防的胎児薬物療法の開発に挑戦した。新規に開発したインビトロ解析システムを用いて、C57BL/6J系統TGFβ3遺伝子欠損マウス胎児の口蓋突起内側縁上皮(MEE)細胞は上皮.間葉分化転換と口蓋突起の癒合を引き起こす能力を持っていないが、DNAメチル化酵素阻害剤RG108のインビトロ投与によって部位特異的なMEE細胞の上皮.間葉分化転換と口蓋突起の癒合を引き起こすことを見いだした。そして、TGFβ3遺伝子欠損マウス胎児にRG108を子宮内で暴露させた場合、さまざまな程度の不完全口蓋裂を呈する胎児が得られた。この実験モデルにおいて、Igf2rのセンスプロモーター領域のCG配列はIgf2rのアンチセンスプロモーター領域のCG配列よりも著しく脱メチル化されており、対照群に比べて口蓋組織におけるIGF2Rの発現が著しく増加していた。
それらの実験結果を統合し、当該研究は口蓋裂表現型の多型性を生み出す原因がエピジェネティックなメカニズムにあることを新たに洞察して、(世界で)初めて口蓋裂表現型の重症度を改善することを標的とする予防的胎児薬物療法の可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Autophagy in regulation of Toll-like receptor signaling2012

    • 著者名/発表者名
      Into T., Inomata M., Takayama E., Takigawa T.
    • 雑誌名

      Cellular Signaling

      巻: 24 ページ: 1150-1162

  • [雑誌論文] Differential distribution of posttranslationally modified microtubules in osteoclasts2011

    • 著者名/発表者名
      Akisaka T., Yoshida H., Takigawa T.
    • 雑誌名

      Journal of histochemistry and cytochemistry

      巻: 59(6) ページ: 630-638

  • [雑誌論文] 免疫系を調節するToll様受容体のリガンド認識とシグナル伝達機構~その生理学的・病理学的役割2011

    • 著者名/発表者名
      引頭毅、猪俣恵、滝川俊也
    • 雑誌名

      岐阜歯科学会雑誌

      巻: 第37巻3号 ページ: 138-158

  • [学会発表] DNAメチル化酵素阻害剤投与によるTGFβ3ノックアウトマウスの重篤な口蓋裂表現型の軽症化効果について2012

    • 著者名/発表者名
      滝川俊也、明坂年隆、高井良招、引頭毅
    • 学会等名
      第117回日本解剖学会
    • 発表場所
      甲府市
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] ゲフィチニブ投与によるTGFβ3ノックアウトマウスの重篤な口蓋裂表現型の改善作用について2011

    • 著者名/発表者名
      滝川俊也、高井良招、明坂年隆
    • 学会等名
      第53回日本歯科基礎医学会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2011-10-02
  • [学会発表] TGFβ3ノックアウトマウスの口蓋裂表現型とマウス系統に依存した口蓋突起内側縁上皮細胞の最終分化能力との相関関係2011

    • 著者名/発表者名
      滝川俊也
    • 学会等名
      第116回日本解剖学会/第88回日本生理学会合同大会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      2011-03-28
  • [学会発表] 肺癌治療薬イレッサ投与によるTGFβ3ノックアウトマウスの口蓋裂表現型の重症化抑制作用について2010

    • 著者名/発表者名
      滝川俊也、明坂年隆、高井良招
    • 学会等名
      第70回日本解剖学会中部支部学会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      2010-10-16
  • [学会発表] 肺癌治療薬イレッサ投与によるTGFβ3遺伝子欠損マウスの口蓋裂表現型を軽症化させるための予防的胎児治療の試み2010

    • 著者名/発表者名
      滝川俊也, 高井良招, 明坂年隆, 塩田浩平
    • 学会等名
      第115回日本解剖学会全国学術集会
    • 発表場所
      盛岡市
    • 年月日
      2010-03-28

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公開日: 2013-07-31  

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