研究課題
内軟骨性骨形成過程においてSox9は間葉系細胞が軟骨細胞へと分化する方向性を決定する転写制御因子として知られており、分化の段階に応じたマーカー遺伝子の転写を活性化していると考えられ、Sox9の活性の厳密な調節が正常な骨格形成に必要だと思われる。本課題では、Sox9の細胞内量を調節するSox9特異的ユビキチンリガーゼを同定し、このユビキチンリガーゼによるSox9の細胞内量調節が内軟骨性骨形成に及ぼす影響を調べる事、さらにこのユビキチンリガーゼにおける変異が重篤な神経疾患を引き起こしていることが以前より報告されているため、ユビキチンリガーゼの異常によるSox9の分解不全と神経疾患との関わりについて明らかにすることが最終目的である。今年度は以下の研究成果を得た。1.ユビキチンリガーゼを発現ベクター導入により胎生期肢芽より単離した軟骨細胞に過剰発現させ、Sox9の活性におよぼす影響、細胞内Sox9量の減少、軟骨細胞マーカー遺伝子発現の変化を確認したところ、ユビキチンキナーゼ発現により,細胞内Sox9濃度の低下に伴う2型コラーゲンプロモーター活性の低下、アグリカンmRNAの低下が観察された。2.ユビキチンリガーゼをsiRNA導入により軟骨細胞でノックダウンし、Sox9の活性におよぼす影響、細胞内Sox9量の減少、軟骨細胞マーカー遺伝子発現の変化を確認したところ、細胞内Sox9濃度の上昇に伴った2型コラーゲンプロモータ活性の上昇、アグリカンmRNAの増加が観察された。
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Development
巻: 137 ページ: 901-911
Nucleic Acids Research
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http://www.dent.okayama-u.ac.jp/seika/index_sc_j.html