研究課題/領域番号 |
21592360
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90221936)
|
研究分担者 |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00228488)
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30322233)
青山 絵理子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10432650)
|
キーワード | CCNファミリー / アプタマー / CTGF / 軟骨細胞 / ペプチド |
研究概要 |
1.前年度に開発したCCN2に対するアプタマーの機能的特異性の検証を行った。当該アプタマーはCCN2を産生するヒト軟骨細胞様HCS-2/8に対して増殖を促進する効果があったが、これがCCN2に依存するかの検証はなされていなかった。そこでCCN2を産生しない別の細胞株に当該アプタマーを加えても影響がないこと、しかし同時にCCN2を外部から添加すると効果を発揮することを新たに証明した。 2.Phage display libraryを用いた、CCN2に結合する12残基からなるペプチド配列の検索をさらに推進し、in silico解析を経て8-12残基からなるペプチドアプタマーを各種試作した。このうちの1つは、破骨細胞形成において非常に重要な役割を演ずるreceptor activator of NF-kB (RANK)の部分アミノ酸配列に類似性を有していた。 3.2の結果からアプタマーの生物学的効果の検証に進むにあたり、より基本的な現象の解析が必要となった。何故なら現在までにCCN2とRANKが相互作用を持つという報告はなく、2の結果はとりもなおさず両者の相互作用を示唆するものだからである。そこでまずRANK分子とCCN2の相互作用を表面プラズモン共鳴法(SPR)および固相結合法で検証した結果、両者の強力な結合が確認された。以上の結果は研究計画調書で述べた通り、CCN2の機能そのものの未知の局面の解明に繋がるものであって、本研究課題から別の研究への道をも拓く成果である。 4.2、3の結果を踏まえ、RANK類似のアミノ酸配列を持つペプチドアプタマーが、CCN2とRANKとの分子間相互作用に対して影響を与えるか否かを検討した。その結果、当該アプタマーはCCN2とRANKの結合をむしろ促進する効果を発揮した。さらにRANKL刺激によってRANKから細胞内に惹起されるシグナル伝達に与える影響を評価したところ、当該アプタマーはそれを促進することが明らかになった。以上の結果は、CCN2に対するアプタマーによる骨吸収制御の可能性を示すものである。
|