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2010 年度 実績報告書

大脳皮質の味覚伝導路構成ニューロンの発生工学的トレーシングと味覚識別様式の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21592362
研究機関広島大学

研究代表者

杉田 誠  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50235884)

キーワード味覚 / ニューロン
研究概要

苦味受容体もしくは甘味受容体を発現する味細胞に、それぞれ特異的に経シナプス性トレーサーWGA-DsRedを発現するトランスジェニックマウスにおいて、WGA-DsRedは味細胞から順行性に輸送され延髄孤束核、橋結合腕傍核、視床後内側腹側核、大脳皮質味覚野・扁桃体中の一部のニューロンで可視化観察された。本研究では苦味もしくは甘味受容味細胞から移行したWGA-DsRedを受け取るニューロンが、苦味・甘味の識別にいかに関与するかを明らかにすることを目的とした。味覚入力を受け取る最初の脳部位である延髄孤束核内においても大脳皮質味覚野内においても、甘味受容味細胞から移行したWGA-DsRedを受け取る甘味伝導路構成ニューロンに比較し、苦味受容味細胞から移行したWGA-DsRedを受け取る苦味伝導路構成ニューロンの細胞体は後方に配置した。延髄孤束核の苦味伝導路構成ニューロンは苦味情報を選択的に受け取りその情報を上位ニューロンに選択的に伝導するか、苦味情報以外にも甘味等の他の味質の情報を受け取るか、味覚情報以外にも内臓感覚情報を受け取り苦味情報と統合するのかを調べるため、各種刺激後に活性化したニューロンを最初期遺伝子Zif268の発現を検出することにより可視化し、WGA-DsRedを受け取る苦味伝導路構成ニューロンの入力選択性を精査した。延髄孤束核の苦味伝導路構成ニューロンは、口腔内甘味刺激やLiClの腹腔内投与による内臓感覚刺激によっては活性化されず、口腔内苦味刺激により選択的に活性化された。本ニューロンは苦味情報を選択的に受け取り、苦味情報を処理し上位ニューロンに伝導し、識別もしくは苦味誘発行動・情動の惹起に役割を果たすことが示唆された。大脳皮質味覚野の苦味伝導路構成ニューロンのニューロン種を免疫組織学的に解析している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Membrane potential modulation of ionomycin-stimulated Ca^<2+> entry via Ce^<2+>/H^+ exchange and SOC in rat submandibular acinar cells2010

    • 著者名/発表者名
      Hideyo Yoshida
    • 雑誌名

      The Journal of Physiological Sciences

      巻: 60 ページ: 363-137

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 味を感じ唾液が分泌される仕組みに関する最近の知見2010

    • 著者名/発表者名
      廣野力
    • 雑誌名

      広島歯科医学雑誌

      巻: 38 ページ: 1-9

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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