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2011 年度 実績報告書

抗炎症性マクロファージにおける遺伝子発現制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 21592371
研究機関明海大学

研究代表者

大森 喜弘  明海大学, 歯学部, 教授 (50194311)

研究分担者 廣井 美紀  明海大学, 歯学部, 助教 (30419717)
キーワードシグナル伝達 / マクロファージ / 腫瘍 / STAT6 / IL-4 / M2マクロファージ
研究概要

マクロファージは細菌感染、慢性炎症性疾患、腫瘍において生体防御機構に関与しているだけでなく、病変形成にも主要な役割を演じている。従来よりTh1細胞由来IFNγの刺激により活性化したマクロファージは、M1マクロファージ(炎症性マクロファージ)として分類され、抗腫瘍活性を持ち細胞性免疫において中心的な役割を演じている。一方、Th2由来のIL-4/IL-13により刺激されたマクロファージはM2マクロファージ(抗炎症性マクロファージ)として分類されている。
本研究課題ではM2マクロファージへの形質獲得にかかわる遺伝子発現の制御機構および口腔癌病変におけるM2マクロファージの局在について検討を行ってきた。これまでに、我々は(1)口腔扁平上皮癌組織に浸潤しているマクロファージはM2マクロファージであること、(2)IL-4およびIL-13によりM2マクロファージのマーカー遺伝子であるarginase-1(Arg-1)の発現が時間依存的に誘導され、低酸素によりさらに増強したこと、(3)IL-4、IL-13により誘導される転写因子STAT6の核内移行および転写活性は、低酸素により抑制されるという知見を得た。そこで、Arg-1遺伝子プロモーターのどの領域が低酸素による発現増強に重要であるかを検討するために、ルシフェラーゼアッセイを行なった。その結果、IL-4およびIL-13刺激によるArg-1遺伝子(-3810)の転写活性は増加したが、低酸素による増強は認められなかった。一方、-2365コンストラクトおよびSTAT6結合配列の変異コンストラクトではほぼ完全に転写活性が抑制された。これら結果は、IL-4、IL-13によるArg-1遺伝子の発現には-3810~-2365の領域が必要であるが、低酸素での発現増強が認められなかったことから、この領域以外の転写制御領域がArg-1遺伝子の低酸素よる発現増強に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Infiltration of M2 Tumor-Associated Macrophages in Oral Squamous Cell Carcinoma Correlates with Tumor Malignancy2011

    • 著者名/発表者名
      K.Mori, M.Hiroi, J.Shimada, Y Ohmori
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 3 ページ: 3726-3739

    • DOI

      doi:10.3390/cancers3043726

    • 査読あり
  • [学会発表] 抗炎症性M2マクロファージにおけるArg-1遺伝子発現制御機構2011

    • 著者名/発表者名
      廣井美紀、大森喜弘
    • 学会等名
      第53回日本歯科基礎医学会総会
    • 発表場所
      岐阜、長良川国際会議場
    • 年月日
      2011-10-02

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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