研究課題/領域番号 |
21592383
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
石川 誠 北海道大学, 北海道大学病院, 准教授 (10202970)
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研究分担者 |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (50301891)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (20162802)
樋田 京子 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 特任准教授 (40399952)
北村 哲也 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00451451)
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キーワード | 口腔がん / ARE-mRNA / pp32 / pp32r1 / HuR |
研究概要 |
本研究の目的はARE-mRNA及びそれに結合するpp32やHuRなどのタンパクの複合体の挙動が、どのように細胞のがん化に寄与しているかを解析し、それらを制御することにより新しいがんの治療法を開発することである。 昨年度はpp32を発現した口腔がん細胞はソフトアガー中でコロニーをあまり形成できず、pp32の発現によりがんの悪性度が低下することが示せた。本年度はpp32とそのファミリーpp32r1について解析を進め、以下のような新しい知見が得られた。 1)pp32r1の発現 口腔がんでは正常細胞に比べてpp32r1の発現が高いことが明らかになった。さらにpp32r1を発現した口腔がん細胞はソフトアガー中で大きなコロニーを形成し、pp32r1が口腔がん細胞を悪性化することを見出した。 2)pp32、pp32r1によるHuRの分解 HuRはpp32と結合し核外輸送され、細胞質でcaspaseにより分解され、そのことがpp32の持つがん抑制機構であると考えられている。我々の実験でもpp32をノックダウンした口腔がん細胞では、細胞質に存在するHuRの分解量が低下した。次にpp32r1を強制発現した細胞では細胞質でのHuRの分解が少なく細胞質に蓄積し、pp32が発現している細胞と逆の結果が得られた。この結果は、pp32r1が細胞がん化活性を持つことと相関している。 3)pp32、pp32r1とHuRとの相互作用 次にpp32、pp32r1とHuRタンパクとの結合を検討した。その結果、両タンパクともHuRと結合し、pp32r1の方がより強く結合することが明らかになった。 以上の結果は、pp32r1の発現が多くなると、HuRはpp32r1と結合しその分解を免れ、細胞がん化に寄与することを示している。
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