モデルマウス作成に先立ち、すでに系が確立しているptcノックアウトマウス胎児を用い、嚢胞の出現を検索した。その結果、下顎臼歯部の歯槽骨と歯根膜には組織学的に嚢胞の存在をみるも、上顎にはみられなかった。また、上記とは別にヒト歯原性嚢胞性病変について、CD31, CD34およびD2-40を用いて検索を行った。用いた病変は、含歯性嚢胞、歯根嚢胞、角化嚢胞性歯原性腫瘍である。D2-40は嚢胞壁のリンパ管に対し陽性所見を示し、CD31とCD34は嚢胞壁の血管に対し陽性所見を示した。とりわけ、歯根嚢胞においてリンパ管および血管の顕著な増生をみた。
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