研究課題/領域番号 |
21592386
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
領家 和男 鳥取大学, 医学部, 教授 (20093635)
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研究分担者 |
山本 哲也 高知大学, 医歯学系, 教授 (00200824)
上山 吉哉 山口大学, 医学(系)研究科(研究員), 教授 (00168668)
宮本 洋二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
関根 浄治 島根大学, 医学部, 教授 (20236095)
小谷 勇 鳥取大学, 医学部, 准教授 (10294315)
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キーワード | ビスホスホネート / BRONJ / 予後予測因子 / 外科的切除範囲 / 骨吸収マーカー / 骨形成マーカー / 骨密度 / 骨芽細胞分化 |
研究概要 |
1.ビスフォスフォネート(BP)による骨芽細胞への影響について 骨分化関連の遺伝子発現は、BP製剤10μMで有意に促進がみられた。また、抑制型Smad7も同様に促進がみられたが、これはネガティブフィードバックが働いたためと思われた。 BPがBMP受容体を介して、骨芽細胞に作用している可能性が示唆された。骨形成因子の遺伝子発現のアップレギュレートにともない、増殖能は抑制された。骨芽細胞の石灰化は、細胞増殖の抑制に関連していた。結論的には、BP製剤は、骨芽細胞の分化を促進した。分化が促進すると増殖が低下する傾向がみられ、結果的にBPの長期投与は骨芽細胞による石灰化に対し抑制的に作用することが明らかとなった。 2.宿主側細菌感染に対する検討 歯周病細菌である嫌気性のAa(Aggregatibacter actinomycetemcomitans Y4)とPg(Porphyromonas gingivalis W83)がBRONJで検出されたが、Pgに対しては銅クロロフィリンナトリウムの阻止効果が得られた。 3.骨密度の検討 顎骨骨密度が400~450mg/ml以上ではBRONJの発症率が高くなることが明らかとなり、外科的切除断端は骨密度が400~450mg/ml以下を基準に切除範囲を決定するのが妥当であるとの結論が得られた。BRONJの骨切除部位の設定に顎骨骨密度が有用な指標となることが示唆された。 4.骨代謝マーカーの検討 骨代謝マーカーとして骨吸収マーカーのみでなく骨形成マーカーも低くなるいわゆるnon active boneは予後不良であることが明らかとなりこの骨代謝マーカーは予後予測因子として有用であることが確認できた。一方多発性骨折や多発性の転移がある場合にはこの骨代謝マーカーは予測因子とはなり得ず、むしろ骨密度がマーカーになり得た。
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