I.Dex/FTOC系のAIRE核内輸送阻害機序の解明 FTOCにDexを作用させたところ、AIREの発現量に変化はみられなかったが、胸腺分化マーカーであるCD80、代表的TSAであるIns2、Spt1の発現は減少した(右図)。 Dexは、FTOCにおけるAIREの局在を変化させるだけでなく、AIREの発現量を減少させ、かつ胸腺上皮細胞の分化を抑制し、かつTSA発現を減少させることが明らかになった。一方、AIREを核内に安定発現したHela/AIRE株、AIREを安定発現させたTEC株ならびにRANKLを添加したTEC細胞にDexを添加し、AIRE局在の変化を共焦点レーザー顕微鏡で検索したが、核内から細胞質への移行はみられなかった。また、AIRE、CD80、Spt1、Ins2の発現にも変化はみられなかった。C57BL/6腹腔にDexを作用させ、摘出した胸腺におけるAIREの局在と、AIRE、CD80、Spt1、Ins2の発現を検索したが、培養細胞同様、変化は検出されなかった。これらの結果は、DexにおけるAIRE局在の変化はFTOC特異的な現象であることを示した。 II.SS発症と進行に伴うAire発現量と局在め変化の検討 SSマウスモデル(IQI/Jic)生後三日目に胸腺を除去し、三ヶ月後に顎下リンパ節におけるAire発現と局在を検討した。 対照として用いたICRマウスでは、顎下リンパ節におけるAire発現は、トータルとして上昇していたが、個体およびリンパ節によって差があり、今後の検討課題である。
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