Dynamic MR sialographyの応用により唾液腺排泄状態を機能的に評価することが可能になることを証明した。同時にDynamic MR sialographic imagesを利用してコンピューター処理を施すことにより、時間耳下腺管描出能曲線を描記することも可能であることを明らかにした。それにより耳下腺及び顎下腺それぞれについて片側ずつ排泄機能を評価することできる。特に、Dynamic MR sialographyのパラメータとして、耳下腺管のクエン酸滴下前の面積とクエン酸滴下後の耳下腺管の最大面積間の変化割合量が唾液機能を評価するものとして有効である。具体的に、シェーグレン症候群、口腔乾燥症及び唾液過多症の患者を診断する上で数値的診断を可能とする。更に、今回の研究で口腔乾燥症患者の治療として有効である唾液腺洗浄療法の予後判定にも術前における変化割合量の数値が有効であることが証明された。実際、数値の高いものは治療効果が高く、逆に数値の低いものは治療項が低いことが証明された。同様に、口腔乾燥症の患者に対する漢方薬投与による治療効果の予後判定についても検討を重ねているところである。 Preliminaryなデータとしては、洗浄療法の場合とは異なり、結果の予測は難しいようである。この両結果から、我々の手法を基にして唾液腺流出障害を持つ患者に対するDynamic MR sialographyの有効性を評価することができるものと考えている。
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