FDGに代わる新しいPET用トレーサーであるCholineに注目し、その腫瘍への集積特性を明らかにするために細胞レベルでの分析と臨床的な分析を行い、H21年度は次の様な成果が得られた。 1. 培養癌細胞の細胞周期と<18>^F-Choline集積 培養癌細胞HeLaを用い、Thymidineによるダブルブロッキング法にて細胞周期同調を行った。 <18>^F-CholineはG2/M期で集積増大が認められた。細胞分裂頻度が高い癌ではPET検査ではCholine集積が増大することが推測された。しかしながら、各培養フラスコでデータのばらつきが多く、さらなる実験が必要であった。 2. <18>^F-コリンを用いた口腔癌のPET診断 歯肉癌の6例に対し、<18>^F-Choline-PETを行えた。<18>^F-Cholineの平均SUVは5.7、FDGでは7.1(16症例)であった。症例数が少なく同一症例の比較ではないが、口腔癌では<18>^F-cholineはFDGより集積がやや低いことが予測された。
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