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2011 年度 実績報告書

顎関節症を想定したIL-17による骨軟骨破壊の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21592401
研究機関日本大学

研究代表者

前野 正夫  日本大学, 歯学部, 教授 (60147618)

研究分担者 鈴木 直人  日本大学, 歯学部, 教授 (10226532)
川戸 貴行  日本大学, 歯学部, 講師 (50386075)
キーワードIL-17 / 骨芽細胞 / 破骨細胞前駆細胞 / 軟骨細胞 / MMP / TIMP / CD4^+T細胞 / PGE_2
研究概要

IL-17Fが軟骨基質タンパク代謝に及ぼす影響を調べた。その結果,IL-17Fは,軟骨細胞のmatrixmetalloproteinase(MMP)-1,-3,-13,cyclooxygenase(COX)-2発現とprostaglandin(PG)E2産生を増加させ,tissue inhibitor of metalloproteinase(TIMP)-2,-4,II型collagen,aggrecan,link protein,COX-1発現を減少させた。MMP-2,-14,TIMP-1,-3発現には変化を認めなかった。NS-398は,IL-17FによるTIMP-4,aggrecan,linkprotein発現の減少効果をブロックした(Cytokine56,2011)。また,IL-17Fは,軟骨細胞のplasminogenactivator inhibitor(PAI)-1,COX-2発現とPGE2産生を増加させ,uPAとCOX-1発現を減少させたが,tPA発現には変化を認めなかった。NS-398は,IL-17FによるuPAとPへ1-1発現の減少と増加効果をブロックした(Hard Tissue Biol 20,2011)。以上の結果から,IL-17Fは,軟骨細胞による軟骨基質合成を抑制し,MMP-1,-3,-13発現増加とTIMP-2,-4発現減少により軟骨基質タンパク代謝を分解系に傾けること,軟骨細胞のPAI-1発現増加とuPA発現減少によりplasminogen/plasmin経路による軟骨基質の分解を抑制することが示唆された。また,軟骨基質タンパク代謝に関わる分子の発現には,PGE2のautocrine作用の関与が示唆された。次に,自己免疫疾患や炎症性疾患においてIL-17Aが骨芽細胞に作用することを想定し,IL-17Aが細胞外基質タンパク(ECMP)の発現と石灰化nodule形成に及ぼす影響を調べた。その結果,IL-17Aは骨芽細胞のECMP発現を誘導するが,骨の石灰化には影響しないことが明らかになった(Hard Tissue Biol 20,2011)。また,破骨細胞前駆細胞をIL-17Aで刺激するとIL-18R accessory protein産生が増加すること,破骨細胞前駆細胞をIL-17Aで刺激後の培養上清にIL-18を加えて調整した培地をCD4+Tリンパ球に振りかけると,TNF-α産生には変化を認めなかったが,破骨細胞分化を抑制するGM-CSF産生が増加することが明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Interleukin-17F affects cartilage matrix turnover by increasing the expression of collagenases and stromelysin-1 and by decreasing the expression of their inhibitors and extracellular matrix components in chondrocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Shihoko Tanigawa
    • 雑誌名

      Cytokine

      巻: 56 ページ: 376-386

    • DOI

      doi:10.1016/j.cyto.2011.08.015

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interleukin-17F down-regulates plasminogen/plasmin pathway in chondrocytes2011

    • 著者名/発表者名
      Shihoko Tanigawa
    • 雑誌名

      Journal of Hard Tissue Biology

      巻: 20 ページ: 193-200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Interleukin-17A induces extracellular matrix protein expression in osteoblastic ROS17/2.8 cells2011

    • 著者名/発表者名
      Akiko Kuwabara
    • 雑誌名

      Journal of Hard Tissue Biology

      巻: 20 ページ: 251-262

    • 査読あり
  • [学会発表] IL-17は骨芽細胞の骨基質タンパク発現を増加させる2011

    • 著者名/発表者名
      桑原亜貴子
    • 学会等名
      第60回日本口腔衛生学会・総会
    • 発表場所
      日本大学松戸歯学部(千葉県)
    • 年月日
      2011-10-09
  • [学会発表] インターロイキン-17AはプロスタグランジンE_2を介して骨芽細胞の炎症性サイトカイン産生を促進する2011

    • 著者名/発表者名
      北見聡
    • 学会等名
      第60回日本口腔衛生学会・総会
    • 発表場所
      日本大学松戸歯学部(千葉県)
    • 年月日
      2011-10-09
  • [学会発表] IL-17Aは骨芽細胞のPGE_2産生を介してRAW264.7細胞の骨基質タンパク分解酵素の発現を増加させる2011

    • 著者名/発表者名
      田中秀樹
    • 学会等名
      第60回日本口腔衛生学会・総会
    • 発表場所
      日本大学松戸歯学部(千葉県)
    • 年月日
      2011-10-09
  • [学会発表] IL-17Fは破骨細胞によるPGE_2産生を介してアグリカン,リンクプロテインおよびTIMP-4の発現を促進させる2011

    • 著者名/発表者名
      谷川志保子
    • 学会等名
      第20回硬組織再生生物学会学術大会・総会
    • 発表場所
      日本大学歯学部(東京都)
    • 年月日
      2011-08-27

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公開日: 2013-06-26  

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