牛歯変色歯モデルを用いたオフィスブリーチング材の評価の妥当性について検討を行い、本モデルを用いた漂白材の評価法の確立を図った。可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた漂白材に対して、ハロゲン光、波長405nmおよび470nmLED光などの各種光源を用いた際の、漂白効果に及ぼす影響について、本評価法を用いて検討した。その結果、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた漂白材では、照射光源の波長が漂白効果に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。また、他のin vitroでの評価法として、メチレンブルー水溶液を用いた方法に着目し、本評価法を用いて、405nmレーザー光を光源として、レーザー光の出力、照射時間、ピークエネルギー、パルス幅などの各種条件因子が、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた漂白材の漂白効果に及ぼす影響について、詳細に検討を行った。その結果、405nm青紫レーザー光は、可視光応答型酸化チタン光触媒を用いた漂白材に有効に作用し、その照射エネルギーのみが漂白効果に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。この、メチレンブルーを用いた評価結果について、今後、牛歯変色歯モデルを用いて検証を行う予定である。加えて、牛歯変色歯モデルをホームブリーチの評価に適応可能か検討を行った。すなわち、調製した牛歯変色歯モデルにオフィスブリーチング材を37℃100%湿度中で各種条件下にて作用させ、漂白効果を評価したところ、臨床応用時に極めて似た漂白効果が得られ、本変色歯モデルはホームブリーチング材の評価にも応用できることが明らかになった。
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