研究課題/領域番号 |
21592414
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大槻 昌幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30203847)
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キーワード | 漂白 / 変色歯 / オフィスブリーチ / 酸化チタン光触媒 / 牛歯 |
研究概要 |
これまでの研究により、本研究で開発した牛歯変色歯モデルを用いた歯の漂白の評価法は有効であることが明らかになった。すなわち、本評価方法は入手が困難なヒト抜去歯を用いることなく、比較的簡便ながらも、漂白材料および漂白方法の評価に極めて有用である。そこで、可視光応答型酸化チタン光触媒を含有するオフィスホワイトニング材に各種光源を用いた時の、漂白効果について評価を行ったところ、同材料の漂白効果が照射光源の波長に大きく依存することが明らかとなった。一方、歯の漂白処置後の色の後戻りは、臨床上問題となっている。そこで、漂白処置後に各種濃度のフッ化ナトリウムの塗布、casein phosphopeptide-amorphous calcium phosphate(CCP-ACP)ペーストの塗布等を行って、漂白処置後の色の後戻りの程度を牛歯変色歯モデルを用いて評価した。その結果、これらの処置は、程度の差はあるものの、いずれも漂白処置後の色の後戻りの抑制効果があることが明らかになった。特に、フッ化物含有のCCP-ACPペーストは、高い抑制効果が認められた。これらの多くは、う蝕の予防・初期う蝕の再石灰化を期待してホームケアあるいはプロフェッショナルケアで用いられているものであり、臨床応用も容易と思われ、実現性の高いものと期待できる。以上のように、牛歯変色歯モデルを用いた歯の漂白に関する評価方法は極めて有効であることが明らかとなった。今後は、臨床成績との関連について検討の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
in vitroの評価について順調に進行し、漂白後の色調の後戻り抑制についての新知見も得られた。
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今後の研究の推進方策 |
牛歯変色歯モデルの評価結果と臨床結果の比較を行うにあたり、臨床試験を実施の予定である。臨床試験に際しては、法令・規則・倫理指針にしたがい、周到な準備の上で実施する。
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