研究課題/領域番号 |
21592424
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
後藤 康治 九州大学, 大学院・歯学研究院, 准助教 (00170473)
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研究分担者 |
赤峰 昭文 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (00117053)
前田 英史 九州大学, 大学病院, 講師 (10284514)
畦森 雅子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (90136490)
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キーワード | 歯学 / 水酸化カルシウム / 根管貼薬 / 根管充填用シーラー |
研究概要 |
本研究は、有用な根管貼薬剤として頻用されている水酸化カルシウム製剤が接着性根管充填用シーラーに及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。研究2年目にあたる平成22年度は、平成21年度で確立した、水酸化カルシウム製剤のカルシペックスIIがNiTi製ファイルのエンドウェーブで根管形成した透明レジン製規格根管模型の根尖部に残存した状態を再現した実験系を用いて、根管充填用シーラーとして接着性根管充填用シーラーのスーパーボンド根充シーラー、ユージノール系のキャナルス、非ユージノール系のキャナルスN、および水酸化カルシウム系のシーラペックスを使用して、シングルポイント法あるいはThermafil法のいずれかで根管充填を行った場合に、残存したカルシペックスIIが根管封鎖性へどのような影響を及ぼしているかについて調べた。根管封鎖性の評価は根尖側1ミリおよび3ミリにおけるガッタパーチャ充填率を求めることで行った。その結果、キャナルスおよびシーラペックスはシングルポイント法およびThermafil法のどちらの場合も、残存したカルシペックスIIの影響を受けて根管封鎖性が低下することが判明した。一方、スーパーボンド根充シーラーとキャナルスNはThermafil法を用いると、残存したカルシペックスIIの影響を受けにくいことが明らかとなった。このことから、カルシペックスIIを根管貼薬剤として臨床応用する際には、シーラーにスーパーボンド根充シーラーあるいはキャナスルNを用いたThermafil法で根管充填を行うと、根管封鎖性が高まり良好な臨床成績が得られる可能性が示唆された。研究の最終年度である平成23年度では、今回の実験系を用いて国内で市販されているリアルシールSEシーラーおよび海外でのみ市販されているMetaSealについて残存したカルシペックスIIの影響を明らかにする予定である。
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