日本発の画期的な研究成果として、マウス由来線維芽細胞において細胞分化のリプログラミングが4種類の遺伝子導入であらゆる細胞に分化可能な人工多能性幹細胞(iPS細胞)の作製が可能となり、さらにヒト皮膚由来線維芽細胞においてもヒトiPS細胞の樹立が報告された。そこで現在は患者の組織から細胞を採取し、その体外に取出した細胞を分化多能性を有するiPS細胞へ誘導し必要な細胞へ再分化させ、組織工学の技術を用いて生体外で3次元細胞培養し、それを生体内に戻し組織を再生するといった21世紀前半の医療として期待が高い再生医療おける免疫拒絶のない「真の細胞移植療法」の早期実現化が急務となってきた。そこで本研究は今後3~4年後の臨床実用化を目標に、天然有機多糖体であるキトサンをiPS細胞移植システムのScaffold(坦体)として用い、硬組織再生療法、特に歯槽骨および象牙質再生医療技術の開発・確立を目指すものであった。
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