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2011 年度 実績報告書

耐久性に優れたう蝕予防効果を発揮する修復材の検討

研究課題

研究課題/領域番号 21592430
研究機関日本大学

研究代表者

黒川 弘康  日本大学, 歯学部, 助教 (10291709)

キーワード機能性材料 / 再石灰化 / OCT
研究概要

近年,齲蝕リスクの低減化あるいは脱灰と再石灰化という動的平衡をコントロールすることの重要性が宣伝されている。このような観点から,歯質の積極的な再石灰化あるいは脱灰抑制を目的として,多種のイオンを徐放するPRGフィラーを含有したコーティング材が開発された。そこで,PRGフィラー含有コーティング材を歯質に塗布した際に生じる状態変化を,Optical Coherence Tomography(以後,OCT)を用いて非破壊的に観察し,検討を加えた。
ウシ下顎前歯唇側エナメル質を4×4×1mmのブロックとして切り出し,これを測定用試片とした。この試片の表面に対して,PRGフィラー含有コーティング材を塗布したもの,あるいは塗布を行わないものの2条件を設定した後,37℃人工唾液(pH7.0)あるいは精製水中に30日間浸漬保管した。保管中の試片について,OCT装置(モリタ東京製作所)を用い,歯質に生じる状態変化を経時的に観察した。また,所定の保管期間が終了した試片については,コーティング材を探針にて除去し,レーザ顕微鏡(VK-8700,KEYENCE)を用いて表面性状の観察を行った。
その結果,人工唾液保管群におけるコーティング材塗布直後のOCTイメージ像からは,塗布面表層とその下方に強度分布を示す画像が得られ,その信号強度を解析したグラフからは,最大ピークのほかに信号の増強部が検出された。一方,実験期間の延長に伴い,コーティング面表層でのシグナルは減少し,その部位での信号解析からは,ピーク幅の拡大が認められた。また,非コーティング面の歯質は,塗布直後に比べ表層でのシグナルは増加し,そのグラフ解祈より信号強度は増幅していることが判明した。
以上の結果から,PRGフィラー含有コーティング材は歯質に生じる脱灰を抑制し,再石灰化を促進する可能性を有することが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of tooth-surface hydration conditions on optical coherence-tomography imaging2011

    • 著者名/発表者名
      Shimamura Y, Murayama R, Kurokawa H, Miyazaki M, Mihata Y, Kamaguchi S
    • 雑誌名

      J Dent

      巻: 39 ページ: 572-577

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 試作接着システム(LLB-2)の基本的接着性能2011

    • 著者名/発表者名
      黒川弘康, 利根川雅佳, 飯野正義, 古宅眞由美, 白土康司, 山路歩, 坪田圭司, 安藤進, 宮崎真至, 岩崎伸雄
    • 雑誌名

      接着歯学

      巻: 29 ページ: 77-83

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 光干渉断層画像法(Optical Coherence Tomography)の歯科臨床応用に関する基礎的検討-ホワイトニング剤が歯質に及ぼす影響-2011

    • 著者名/発表者名
      黒川弘康
    • 雑誌名

      日歯保存誌

      巻: 54 ページ: 250-258

    • 査読あり
  • [学会発表] PRGバリアコートのエナメル質表層化脱灰病変の再石灰化効果2011

    • 著者名/発表者名
      村山良介
    • 学会等名
      第135回日本歯科保存学会2011年度秋季学術大会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター(大阪府)
    • 年月日
      2011-10-21

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公開日: 2013-06-26  

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