研究課題/領域番号 |
21592442
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大木 明子 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10345225)
|
研究分担者 |
末永 英之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10396731)
飯野 光喜 山形大学, 医学部, 教授 (50212717)
森 良之 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70251296)
|
キーワード | 顔面補綴 / 三次元造形法 / フルカラー三次元プリンタ / 三次元スキャナ / 顎顔面補綴 |
研究概要 |
エピテーゼは高度な審美性が要求される。エピテーゼ製作の問題として、顔面形態の再現が難しい、眼球欠損に対する義眼の三次元的位置の決定が難しい、顔面変形に対してより自然に見えるようにするなどの技工上の工夫が必要、エピテーゼが顔面に調和するように顔の色にあわせてより自然な彩色を行う必要などがあげられる。形態の再現には三次元造形法の利用が行われるようになってきた。しかし、義眼やエピテーゼの色の再現には術者の色彩感覚とシリコン重合の際の色素の配合に関する経験と感覚が重要になり、再製作の際には色の再現をすることが難しい。 最近、フルカラー三次元プリンタの登場によって、三次元CADなどのデザインデータを立体造形により素早くフルカラーで手に取ることが可能になった。顎顔面補綴の分野にこの最新のテクノロジーを導入することによって生まれる新たな技術は、新しい顎顔面補綴の創造という観点からも重要と考えられる。 以上より、レーザ・スキャナやCT、MRI、三次元デジタル写真の三次元形状データからコンピュータ上で三次元データを編集し、色情報としてデジタル写真データを利用し、エピテーゼの設計を行ない、次に、模型およびワックスパターン製作の過程を省略し、直接、フルカラー三次元プリンタでエピテーゼを製作するシステムの基盤技術を開発することを目的とした。 平成21年度は、フルカラー三次元プリンタを用いてエピテーゼを直接造形するために、海外で市販されているシリコン材料をレーザー光および紫外線照射で5×5センチの立方体のフルカラー造形を試みたが、硬化せず、材料の再検討が必要となった。また、義眼について、デジタルカメラから得られた色情報からフルカラー三次元プリンタを用いて造形した。今後は色調の再現性、安定性を検討していく必要がある。
|