研究概要 |
小型軽量ブルートゥースシステムを用いて,歯科治療中の術者の姿勢を計測した.その結果,計測時間,計測距離,計測精度に関して,十分歯科治療時の計測に使用できる性能があることを確認した.また,計測時の拘束がほとんど無く,術者の治療を妨げない計測法であるとこを確認した. その上で,歯科治療時の姿勢とデスクワーク時の姿勢を比較した.その相違を頭部の傾斜の累積時間分布を分析することにより判定できることを検証した.この結果から,デスクワーク時に比較して歯科治療時には広範囲に頭部を動かすこと,特に前傾姿勢になりがちであることが判明した. この分析に加え,時系列領域における頭部動作の特徴を抽出するためFFTによるスペクトル分析を行った.この結果歯科治療時(義歯調整治療)においては特徴的な周波数ピークが存在することを確認し,作業に特徴的な周期的動作が存在することを確認した.(発表) これらの事実に基づき,歯科治療作業間の差異を検討するため,歯科治療を治療内容により分類し,作業毎の姿勢の特徴に関する分析を行う目的で義歯調整以外の歯科治療に関するデータを収集した. さらに,頭部と体幹の2測定点のデータを座標変換して相対的な位置関係を算出するためには,2軸のセンサーを用いるよりも,3軸のセンサーの方が容易で正確であるので,3軸の加速度センサーを入手して,3軸での姿勢計測をする為のシステムを開発中である.また,データ転送が高速になれば,筋電図など情報量の多いデータも記録可能となるため,データ転送方法に関して,高速なusb3の規格の使用可能性を検討するための資料収集中である.
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