研究分担者 |
野村 修一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40018859)
植田 耕一郎 日本大学, 歯学部, 教授 (80313518)
染矢 源治 新潟大学, 医歯学系, 教授 (60107787)
木村 慎二 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40361901)
椙山 加綱 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50124772)
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研究概要 |
われわれはピエゾフィルムを頸部に貼り、得られるピエゾ波形から嚥下機能を評価する方法を考案した。本装置は非侵襲的に嚥下運動が測定でき、同一条件の嚥下運動で得られる波形は高い再現性がある。さらに、われわれは本装置で得られる波形から嚥下咽頭期の舌骨の運動を評価できることを見出した。これまで嚥下咽頭期の機能評価はX線嚥下造影検査に頼ることが多いため,放射線被曝をはじめ倫理的にも制約が大きい。多くの研究者が嚥下障害を舌骨の運動に着目して障害の評価,治療効果の基準としてきたが,多くはX線嚥下造影検査に頼るものであった。しかし、本装置を用いた測定はベッドサイドでの測定が可能であり,嚥下動態を極めて安全にかつ高精度に分析することが可能となり、嚥下障害者における診断および治療経過の評価のみならず健常者における嚥下機能の多面的な解明にも応用できる。 当該年度に5名の健常被験者を対象にピエゾ波形、表面筋電図,X線嚥下造影検査の同時測定を行い、舌骨の移動に伴う波形成分の詳細な解析を行った。その結果、ピエゾ波形の潜時から舌骨の移動時間、舌骨の移動に伴う軌跡の予測が可能であることが判明した。さらに、本装置を用いた健常者の嚥下運動の標準値作成においては、予定人数で波形解析を行った結果からは、舌骨の移動時間、移動パターンには個体差が大きく正常嚥下の標準値の作成には、さらに被験者数を増やして、ピエゾ波形のパターン分類を行い、それぞれのパターンに対する基準値の作成が必要となった。
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