味覚障害患者の約70%に亜鉛内服治療が有効であるといわれている。唾液の中の亜鉛結合タンパク質である炭酸脱水酵素VI型が味覚機能に関与するとの報告に基づき、作製した抗体を用いて、迅速簡便なイムノクロマト法を用いた診断を血液検査の代わりに応用することを目的とし、反応性評価試験を行った。その結果、PBS(-)と陽性コントロール(合成ペプチド)において発色の差異が見られ、さらに希釈倍率した耳下腺唾液においては、濃度に依存して発色がみられた。従って、この方法を用いることにより、血液採取ではなく、唾液採取することにより、簡便迅速に味覚障害の診断法の確立が示唆された。
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